天才的な洞察&ユーモア満載のおススメ面白エッセイ本まとめ

おすすめのオモシロエッセイをまとめました。本をあまり読まれない方でも必ず楽しめるであろう名品揃いです。すべて図書館で借りることができるはずですので、このエッセイ気になるわー、とかあったらぜひ。

小生物語/乙一

「なるほど天才め……」と本を開いて5ページも行かないうちに呻らされる面白エッセイ。というかまさに小生物語。乙一先生らしさ全開の珍奇珍妙な語り口で日常を語り、日常のはずがいつのまにか夢の中にいるよう。日記という体裁を取りながらもユニークなレトリックで巧みに隠される実生活が、時々チラッと垣間見えたりして、ファンにはたまらない一品です。ファンじゃなくてももちろんおすすめ。

乙一さん好きなら小生物語は読むべきである……あれ学校の朝読書の時間に読んで死ぬはめになった

気づくと3人でバッティンクセンターにいた。いつのまにか僕は100円玉を大量に消費してストライクを生産していた。 #.1rtごとに部屋にある本の106ページ3行目を晒す 小生物語/乙一

われ笑う、ゆえにわれあり/土屋賢二

ユーモアとはこういうものを言うのだなぁ、と実感させられる名著。皮肉、諧謔、風刺、どれをとってもゾクゾクするほど知的。哲学者ってガチでカッコいいです。悪ふざけ気味な文章の中に底光りする怜悧な観察眼と分析力は鳥肌なしには読めません。読後無性にプラトンやらアリストテレスやらの対話編が欲しくなったのは私だけではないはず。

私には「ひねくれもの」の面白さというものがこの本の価値であると感じられました。

教授「もし君が豚だったら・・・」学生「ケンカを売ってるんですか・・・」教授「・・・仮定を反事実的条件文で言っているだけだ・・」なるほどそういう言い方をするのかぁ。 ちょっと哲学方面の知識が付きます。

そういうふうにできている/さくらももこ

さくらももこ先生が、らしさ全開で日常をつづったエッセイ。あるがままの日常を、あるがままに受け入れていることが、どれほどスケールの大きいことなのかを思い知らされてハッとします。考察の論理性はどうあれ、斬新な視点が得られることは間違いありません。もちろんユーモアも全開。心がちょっとキツイ時に読むとがんばろうという気持ちになれるはず。

便秘の苦しさも帝王切開の痛みも、相変わらずのももこ節でお気楽に綴る。ヌけているようでどこか達観している様と観察眼の鋭さには目を見張るわ。

笑い話ばかりでなく、出産し親になることへの責任や仕事に復帰できないかもしれないという不安、さらには魂と脳と心の関係についても語られていて、なかなか考えさせられるテーマでもあった。

百姓貴族/荒川弘

鋼の錬金術師で一世を風靡した荒川弘先生のエッセイ漫画。酪農スゲー!北海道コエ―!敷地の中に川、冷凍庫は国産牛でギュウギュウ(ダジャレに非ず)、畑に鮭、もうなにがなにやら。素晴らしい想像力を育んだ北の大地の脅威が面白おかしく活写されています。人間って強く、そしてたくましい。

荒川弘の百姓貴族で北海道独立ってネタがあったけど、あれやったらマジで日本困るだろうな。

@cafehatake 百姓貴族は紙の本で出ててずーっと気になってたんだけど、漫画は場所を取るから躊躇してたの。Kindleを買ったら電子書籍になってたから即買い。だって「水がなかったら牛乳を飲めばいいじゃない」だよw?

のはなし/伊集院光

深夜ラジオの帝王である伊集院光さんの、10年近く前のエッセイをまとめたもの。以下続刊も続々と出版されている……されていく予定らしいです。地頭の良さを痛感させられるものの見方、考え方をはじめ、深夜ラジオからは及びもつかない控え目なジョークなど、見どころ多数。また、加筆・リライトはされているものの、書かれてからかなり時間が経過しているので、過去と現在とを比較して、伊集院さんの変化を追いかけるのも乙。

伊集院光のエッセイ本がほしい。きっとおもしろいに違いない。

伊集院光「のはなし」。ラジオが大好きだけどエッセイもおもろい。昔の彼女にセーラー服おさげ姿で別れ話をしたって話がすき。

たけしの死ぬための生き方/ビートたけし

死に直面した天才が考えたこと、これまでの人生とこれからの人生、いろいろなことを考えさせられます。死ぬのが怖くて仕方なかった中学校の頃に読んで、すこし心が落ち着いたのはいい思い出。人生には楽しいことも辛いこともたくさんあるけど、いずれみんな死ぬ。考えておくべきこと、覚悟すべきことの整理をつけるのに、いい刺激になると思います。

一律の答えがある訳じゃないけど、各自自分なりに考えておく事は必要。何にも考えずに老後を迎えたら惨めだよ。そんな事に気づかされました。

著者が大きな事故の後に、何を考え、何を価値として、これから生きていくのかというのを、ビートたけしらしい語り口調で述べています。

凛々乙女/小林聡美

辛いことより楽しいこと。学校や仕事の悩みなんかスカッと忘れて、楽しく明るい気分にさせてくれるエッセイ。頭をからっぽにして読む事ができます。大分古くて、「ん?これ知らん……」みたいなあるあるネタも出てきますが、そんな細かいことがまったく気にならなくなるほどサクサク読めます。胸のモヤモヤのお薬的一冊。

ご家族とのエピソードに笑わされてしまった。TVロケの過酷な面も垣間見ることが出来るが、それすらもユーモアを持って綴られている。

少し前に書かれたものだが、今でも充分笑える。元気になりたい人はリラックスしてぜひ読んで見てください。おすすめです。

村上ラヂオ/村上春樹

「“TVってうるさいからからほとんど付けません。 でもラジオにはどこか個人的なユルいイメージがある。 ニュースなんかもラジオで聞いています。 そういう“何でもあり感”でエッセイを書こうと思って 『村上ラヂオ』というタイトルにしました」(アンアン・インタビューより) いわずもがななのでなにも言えません。

すべての新しい便利さは、例外なく新しい種類の不便さを産み出すんだ ―村上ラヂオより booklog.jp/quote/35364 #meigen

1話1話が短くて読みやすい上に、知的好奇心を満たしてくれると同時に、適度な具合に笑いのツボを刺激してくれるという、お得感万満点のエッセイ集です。版画のイラストも味わいがあります。>『村上ラヂオ』

すべてがEになる/森博嗣

天才ミステリィ作家森博嗣先生の処女エッセイ。どの時代に読んでも真新しい視点を与えてくれる実り多きエッセイです。時事ネタはほとんど出てこず、抽象的(汎用的)な示唆や考察に終始しています。また、兼業作家だった当時の森先生の生活ぶりが随処に描写されている点も非常に面白く読めます。パズルのように緻密に日常を組み立てていく様は必見。

本書の最大のポイントは無垢な領域へと踏み入れた森博嗣先生がきゃっきゃと日記を書いている様子を読めることだろう。

語られる内容自体は現在と何ら変わりない。現在の方が若干丸くなっているかなあ、と感じる程度である。変わっていないことが凄いことだ。

熱血ポンちゃん膝栗毛/山田詠美

どうして、いつも歯止めを掛けることが出来ないんだろう。大人なのに……という顰蹙を携えて進まんとする膝栗毛。NY、パリ、メキシコ、さまざまな国での郷愁もお供に、ポンちゃんののりすぎ人生はまだまだ続く!by新潮社
ポンちゃんことエイミーこと山田詠美先生のエッセイです。好き嫌いのハッキリわかれるユニークなキャラクター全開。これを読んだ後は、「ぼくは勉強ができない」を読もう!

随分前のことなんだろうけれど、今読んでも結構笑えます。 毎度毎度のパターンなんだけれども、読まずにはいられない。

一本筋が通っていて、芯がぶれずに格好いい。お姉様、付いて行きます!って感じ。(笑) 日本語の使い方が綺麗で素敵。

発見/よしもとばなな

よしもとばなな先生を軸にしたアンソロジーです。古本屋とかで中身見ずに作家買いをして、家でいざ本を開いたら「NO!」っていうことになるので要注意。とくにブックオフの100円文庫コーナーは危険です。

やっぱりどこまでもこの人っぽいなあ、という感じでした。

いろんな著名人のショーットエッセイが入っています。自分にとって面白いものも、そうでないものもありますが、いろんな考え方にふれられる本です。

ツチコンモモコラーゲン/さくらももこ×土屋賢二

子弟ガチバトル。超おもしろいエッセイです。さくらももこ先生に学校での生活をバラされたり、奥さんとの愛溢れるやりとりを突っつかれたりする土屋賢二先生のリアクションは必見。しかしどこか似ているんですよねこの2人。とにもかくにも、ニヤニヤせずにはいられない面白さを秘めています。

この二人がそろって面白くないわけがなかった!煩悩、苦悩、下心、お気楽さ・・・どうして活字からこんなにも伝わってくるんだろう。

対談ベースで進んでいくのですが途中からどうも、さくらももこさんの方が上に立ってきている感があります。(これも土屋賢二さんの自虐的なところがなせる業かもしれませんが・・・)

 

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